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製造業におけるAIの活用|分野、メリット、製造業AI導入例25選

製造業界で導入が進んでいるAI技術は、生産効率の向上やコスト削減、品質改善など、従来からのさまざまな問題を解決することが期待されています。
一方で、高額な初期投資や技術的な難しさなどの課題も存在します。
本記事では、製造業におけるAIの導入メリットと課題、具体的な活用分野について詳しく解説し、さらに25社の実例を通じて導入事例を紹介します。AI導入をお考えの方はぜひ本記事を参考にしてください。

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目次

AIとは?製造業にAIが導入されている分野

デジタルツイン シミュレーション

製造業におけるAI導入のメリットを解説します。

AIとは?

AIとは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略語で「人工知能」と訳されます。一般的に、人が行う知的な活動(書く、話す、識別・認識する、考えるなど)をコンピューターが行える技術を意味することが多いです。

しかし、実は「知能」自体に定義がなく、そのため「人工知能」にも定義はありません。

AIは特定分野に特化した「特化型AI(弱いAI)」と、人間のようにさまざまなことを考え、認識し、対応するような「汎用型AI(強いAI)」に大別されます。
汎用型AIはさまざまな研究が進められていますが、未だ実現していません。一方、特化型AIは画像認識や音声認識、自動運転などすでに日常生活に溶け込んでいる技術が多くあります。

製造業においても、AIの導入はさまざまな分野で活かされています。
以下ではその分野を紹介します。

製造業においてAIが活用されている分野

ここでは製造業においてAIが活用されているシーンを紹介します。

製造現場の作業の自動化

AIを導入すれば、多くの人手が必要な仕分け作業やピッキング、梱包などを産業ロボットと連携したり、自動化も可能になります。
人間では長時間労働による疲れや集中力の途切れからミスが生じることも少なくありませんが、AIなら自己学習機能による作業精度の向上から、ミスが減るだけでなく効率化も期待できます。
生産現場のミスは作業員の安全にも関わります。AIを導入することで作業員の安全性も向上させることができます。

予防保全

AIによる学習やビッグデータによる予兆管理は、機器の故障を未然に防ぐ予防保全に貢献します。AIにこれまでの故障に関するデータや画像データ、音声データ等を学習させることで、故障予測が可能になります。

AIが導入されていなければ、人による監視・管理のウエイトが大きく、不具合に気づくことが遅れたり、作業員の経験値によってメンテナンス作業にも差が出ることや、技術の継承など問題は少なくありません。

AIを導入することで、故障の兆候を24時間体制で監視・検出し計画的なメンテナンスを可能にします。
設備故障によるダウンタイムを短縮できるだけでなく、計画的な部品交換に応用することで設備寿命を伸ばすことにもつながります。

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品質管理

製品の品質管理においても、AIの活用が進んでいます。
AIによる画像解析技術を用いた検査システムは、不良品を自動かつ正確に識別し品質のばらつきを減少させます。
目視による検査結果のばらつきや、疲労や慣れに起因するヒューマンエラーの削減にもAIが役立ちます。

生産計画とスケジューリング

製造業において、AIは生産計画やスケジューリングの最適化にも活用されています。
AIなら、これまでの売上データや天候データ、消費の変化など、人では到底対応しきれないほどの膨大なデータから高精度の分析が可能です。

需要予測在庫管理のデータを基に、最適な生産スケジュールを立てることで、生産効率を落とす原因である過剰生産や生産量不足等を未然に防ぐことができます。

【参考動画】

引用:製造業に AI を導入するには~武蔵精密工業の事例~
引用:【AIロボット導入進む】無人コンビニや物流倉庫に “労働力不足”解決に向け

製造業におけるAI導入のメリットと課題

製造業において、AIの導入が急速に進んでいます。ここでは製造業にAIを導入するメリットや課題を解説します。

製造業におけるAI導入のメリット

生産効率の向上・人材不足解消

AI導入により工程を自動化することで、人的ミスの減少が期待でき、生産効率を向上できます。
また、従来人員を配置していた作業をAIに任せることで人的リソースに余裕ができ、人材不足の解消にもつながります。

コスト削減

AI導入による工程の効率化は、コスト削減につながります。
需要予測AIにより従来過剰な生産だった生産量を削減したり、検査AIにより異物の過剰検知をなくすことで生産量が最適化され、生産ロスを減らすことができます。それに伴って、光熱費の削減も期待できるでしょう。
また、これまで人による作業だったものが自動化されるため、人件費も大きく削減されます。

品質の向上

AIによる品質管理は、製品の品質向上に貢献します。
画像認識技術を活用した製品検査や、データ解析による異常検知は、人による検品作業では発見できなかったような微細な不良箇所まで早期に発見できるため、プロセスの改善に落とし込むことができます。

また、熟練作業者の技量に頼る属人化の課題も解消し、将来に渡って品質を維持することができ、安定した生産を実現します。さらに熟練者の技術をAIに学習させることも可能です。

製造業へのAI導入の課題

導入メリットの多いAIですが、課題もあります。
ここではAI導入における課題を解説します。

高額な初期投資

AI技術は未だ発展途上の技術であり、導入には高額な初期投資が必要となる傾向があります。
ハードウェアやソフトウェアの整備に加え、専門知識の教育やメンテナンスコストなど、初期費用がネックとなりがちです。

一方、AIを適切に導入することで、生産効率の向上や人件費の削減から長期的にはメリットの方が大きくなることが期待できます。
金銭的コストはもちろん、人的・時間的なコストを抑えるためにも、導入時には経験豊富なエンジニアによる支援を検討すると良いでしょう。
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データの質と量

AIによる機械学習の代表的手法である「教師あり学習」は、学習に用いるデータの質と量が分析における精度に影響します。
特に、学習に用いるデータが多いほど精度が高くなるため、例えば不良品を判別させたいのであれば、不良品を含む大量のデータを正確に収集する必要があります。一方、そもそも不良品が少ない場合にはデータを収集するだけで何年もかかる可能性があります。
多品種少量生産の場合も、ひとつの製品に対して大量のデータを収集することは困難でしょう。

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しかし、良品のみのデータを元に判別する手法や、大量の良品データに少量の不良品データを併せて判別する手法などもあります。それぞれにメリットやデメリットがあるため、個々の現場に合わせた手法を選択することが重要です。

【参考記事】製造業におけるAIの活用については以下の記事も参考にしてください。

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製造業におけるAI導入事例25選!

製造業におけるAI導入事例25選を紹介します。
AI導入による自動化、効率化はモノづくりの競争力を高め、製造業をさらに躍進させることが期待されています。

株式会社ダイセル

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画像引用:https://www.daicel.com/news/assets/pdf/20200819.pdf

株式会社ダイセルは、AIを搭載した2 種類のアプリケーションによって「自律型生産システム」を開発しました。
このシステムは、モノづくり現場で取得したデータから学習を重ねた AI を搭載し、 現場作業者を支援します。 試算では年間 100 億円程度のコストダウンが可能で、ノウハウ顕在化にかかる労力が劇的に低減するなどの効果が期待されます。
同社では「自律型生産システム」の日本国内の生産拠点への展開を開始しています。

引用:「自律型生産システム」を開発

トヨタ自動車株式会社

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画像引用:https://global.toyota/

トヨタ自動車株式会社は外観目視検査にディープラーニングを活用した外観検査・画像検査システムを導入しました。特徴の違いを色の強弱で可視化することで、見逃し率が32%から0%へ、過検出率も35%から8%に減少しました。また、検査要員も4名から2名に減らすことに成功し、コスト削減と業務効率向上につなげています。

引用:熟練技術が必要な磁気探傷検査の自動化

キユーピー株式会社

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画像引用:https://www.kewpie.com/newsrelease/2019/1152/

キユーピーは惣菜の原料となるカット野菜の検査に、AIによるディープラーニングを活用した自社開発の原料検査装置を導入しました。
人の目による検査は作業者の負担が大きく作業改善が必要とされていましたが、自社で開発したAI原料検査装置を導入することで、この工程を自動化し、作業効率を向上させます。
検査業務を“働く人にやさしい”工程に進化させるとともに、AIを活用して安全・安心なものづくりを進めていきます。

引用:AIを活用した原料検査装置をグループに展開

株式会社ヨシズミプレス

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画像引用:https://www.tokyo-cci.or.jp/seisaku/committee/mono/smart/case/38/

株式会社ヨシズミプレスは車の自動運転のセンサーに用いられる半導体レーザーの検査工程にAIによる検査装置を導入しました。
これまで目視によって50万個の製品を6名で10日間かけて行っていた検査は、AIの導入により総時間が40%減少、人手のかかる業務が自動化できたことにより従業員の負担が軽減され、利益率が向上しました。
AI導入は、AI人材の育成など手間や時間こそかかるものの、将来の可能性を広げてくれます。

引用:AIを活用した検査システム導入に挑戦、 生産性の向上を実現

キング醸造株式会社

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画像引用:https://hinode-hd.co.jp/king/

キング醸造株式会社は生産計画にAI予測を導入しました。
従来は現場からの出荷予測をもとに生産計画を立てていましたが、その予測にばらつきがあり在庫過多や欠品が発生していました。また、出荷拠点が複数あることや品目数も多いことから、予測のための人的工数が多い状態でした。
AI導入により従来よりも高い精度の予測値が得られる上、原材料の予測値への応用などさらなる展開を期待しています。

引用:需要予測AIで食品ロス削減と工数削減の実現へ

東洋エンジニアリング株式会社

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画像引用:https://www.toyo-eng.com/jp/ja/company/news/?n=3604

東洋エンジニアリング株式会社はスケジュール遅延リスクが発生しうる箇所を設計段階において3D CADモデルから検知するシステムを開発しました。
従来、設計段階で行われる施工性検討は、判断基準がエンジニアの経験知に依存しているため、大量の設計対象物に対して網羅的な検討が難しい状態でした。
AIによる施工性検討により、工事中に起こり得るハザードを検知し事前に設計に織り込むことで、工事遅延を未然防止し、生産性向上を目指します。

引用:業界初となるプラント設計時における 工期遅延リスク検知システムの設計中プラントへの適用を開始

株式会社スプレッド

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画像引用:https://spread.co.jp/

株式会社スプレッドはレタスの芯抜きにAIを搭載したロボットを導入しました。
工場の全加工工程の85%を自動化することで、1日8トンのレタスの加工が可能となります。
レタスの芯抜きロボットは、AIが画像に基づきカットする部分を判断し自動でカットする仕組みで、今後はほかの地域でもAIロボットによるカット工場の展開を目指します。

引用:スプレッドがカットレタス工場 AIロボも導入

ナブテスコ株式会社

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画像引用:https://www.condition-monitor.nabtesco.com/post-716/

ナブテスコ株式会社は風力発電機におけるヨー旋回部の故障回避・状態監視に異常検知AIを導入しました。
風力発電機を構成する部品は非常に多く、また設置される場所も過酷な環境がほとんどです。
特に旋回部分にかかる負荷は大きく、乱流・吹上風による振動や構造連結部への過大荷重の発生により旋回ギアに破損が生じた場合には、発電停止やノセル交換作業など多大な損失が発生します。
AIによる状態監視や異常分析により、これらトラブルを未然に防止し故障回避や長寿命化につなげることができます。
今後は、海外への展開も目指します。

引用:風力発電機におけるヨー旋回部の故障回避・状態監視

株式会社ブリヂストン

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画像引用:https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2016052502.html

株式会社ブリヂストンはタイヤ製造工程にAIを実装した成型システムを導入しています。
作業員のスキルに依存してきた従来の生産工程や品質保証の判断・動作を全て自動的に行い、人による様々なバラツキが極小化されることで高精度なモノづくりが可能となりました。
タイヤ1本あたり480項目の品質データをセンサーで計測し、リアルタイムで自動制御することでタイヤの真円性が15%以上向上しました。
AIは工場全体の工程能力向上へも貢献し、効率的な生産を実現します。

引用:ブリヂストン独自のモノづくりICTを搭載 最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」を彦根工場に初導入

カワサキモータース

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画像引用:https://dcross.impress.co.jp/docs/usecase/003509.html

カワサキモータースは組み立てラインの作業内容をAIで分析し、作業時間を測定する仕組みを導入しています。
AI分析により、作業遅延カ所を特定しサポートできる体制を整備することで、需要や目的に合わせて最適な人員を配置することが可能になりました。
工場内にあるネットワークカメラで組み立て中のオートバイや工具なども撮影し、AI分析により、作業者同士の関係性も読み取ることで、作業のポイントを把握します。
今後は、他事業所や他事業への展開を目指します。

引用:カワサキモータース、製造ラインでの作業時間をAIで分析する仕組みを本格導入へ

アウディ

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画像引用:https://www.audi-press.jp/press-releases/2023/koer300000001xgy.html

アウディはスポット溶接の状態分析にAIを導入しています。
これまで生産スタッフが超音波を使用して行っていた溶接品質確認を自動化することで、車両1台あたり約5,000か所のスポット溶接検査が削減され、生産スタッフは溶接異常の早期発見に集中できるようになりました。
生産拠点ごとに異なる溶接設定に応じたAIモデルの訓練など、AI活用のさらなる水平展開を進めています。

引用:アウディ、スポット溶接の品質管理にAIを導入

東洋製罐グループホールディングス

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画像引用:https://toyokeizai.net/articles/-/734184

東洋製罐グループホールディングスは、工場内のさまざまなデータを一元管理できるIoTソリューションシステムを導入しました。
高速の無線LAN環境によって、「1分間に約2000個の缶が流れる」高速生産ラインを含む製造・生産に関わるデータをリアルタイムに可視化し、AIによる分析と合わせることで製造工程や設備の状況把握、不具合の発生予測を可能としました。
IoT化によりベテランスタッフの勘や経験、ノウハウを可視化し、現場の技を国内や国外の工場へ展開していくことを目指します。

引用:「製缶工場IoT」実現したネットワーク変革の道筋

ヤンマー株式会社

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画像引用:https://www.yanmar.com/jp/news/2017/10/10/34832.html

ヤンマー株式会社はAI/IoTを活用した次世代施設園芸システムの確立に向けたテストベッドを運用しています。
テストベッドは消費者のニーズに合わせた栽培コントロールを目指した研究に利用することができ、温度・湿度などのセンシングやネットワークの信頼性検証、遠隔制御により収集したデータからAIによる農作物の収穫時期・収穫量の予測などが可能です。
また、将来的にはハウス毎の生育状況だけでなく、周辺の農作物の生育状況をクラウドで一元管理できる農業プラットフォームの構築にも期待されています。
食料生産の効率化や、エネルギーの地産地消モデルの創出を目指します。

引用:AI/IoTを活用した次世代施設園芸システムの確立に向けたテストベッドの運用を開始

株式会社日本触媒

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画像引用:https://www.shokubai.co.jp/ja/news/202210047560/

株式会社日本触媒は、株式会社ALGO ARTISと共同で高吸水性樹脂の生産計画を最適化するAIソリューションを開発・導入しました。
より効率的で安定した長期間の生産計画を策定することが可能となり、省エネルギーやCO2排出量削減にも貢献します。

引用:AI(アルゴリズム)を用いた生産計画最適化ソリューションを導入

株式会社オプテージ

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画像引用:https://optage.co.jp/recruit/mid-career/cross-talk/technology.html

株式会社オプテージはネットワークの通信トラフィックの波形の違いをAI分析し、システム障害にいたる前に異常を検知するシステムを開発しました。
AIを使った画像認識技術を応用することで異常波形について機械学習を行い、従来検出不可能だった突発故障を検知するシステムを構築することに成功しました。
完成したシステムにより、通信障害を防ぐだけでなく、従来の障害検知法での課題だった誤検知を90%以上削減するなど確実な成果につながりました。

引用:業界初のAI導入で“サイレント故障”を検知せよ!

株式会社デンソー

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画像引用:https://www.denso.com/jp/ja/driven-base/project/circular-economy/

デンソーは循環型社会の実現に向け、自動車の解体プロセスのAI学習ロボットによる自動化を目指しています。
解体プロセスをAIに学習させることで、自動で精緻な解体を効率的に行うことができるようになります。
デンソーの持つ手術支援ロボットで培ったロボティクス技術が大きな強みとなっています。

引用:高度なロボット/AI技術を用いた自動解体システムで実現する未来の「循環型社会」

アイリスオーヤマ株式会社

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画像引用:https://techfactory.itmedia.co.jp/tf/articles/1809/27/news006.html

アイリスオーヤマ株式会社はLED照明の生産を行う工場に産業用ロボットやAGV(無人搬送車)を導入し製造現場の自動化に取り組んでいます。
基板実装から製品の梱包までを一貫して自動で行い、“1ライン1人体制”を達成するなど省人化を実現しました。
生産から梱包までを可能とすることで製造工場と物流倉庫が一体となり、物流のムダをなくすことに成功しています。

引用:ロボット活用で生産ラインの完全自動化を実現したアイリスオーヤマ つくば工場

サントリーホールディングス株式会社

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画像引用:https://www.suntory.co.jp/company/digital/innovation/ai.html

サントリーは需要予測にAIを導入し、社会環境の変化による需給業務の負荷削減を目指しています。
「ヒトの仕事をAIに置き換えるのではなく、ヒトの業務ノウハウと協業してはじめてAIは有効活用できる。」をテーマに業務プロセス見直しを行い、約6,000時間/年の業務削減を達成しました。

引用:AI活用による需給改革

JFEスチール株式会社

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画像引用:https://www.jfe-steel.co.jp/release/2018/12/181211.html

JFEスチール株式会社はAI画像認識技術によって製鉄所における作業者の安全行動サポート技術を開発しました。
工場内は場所によって照明条件が異なり、多種多様な装置が配置されていることに加え作業者も様々な姿勢で作業を行うため人物検知そのものが困難な環境でしたが、ディープラーニングによる学習で実用レベルの人物検知を実現しました。
立ち入り禁止エリアに作業者が進入してしまった場合には、AIが警報を発するとともに自動でラインを停止させ、作業者の安全を守ります。

引用:国内業界初となるAI画像認識による安全行動サポート技術の導入について

株式会社フジクラ

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画像引用:https://www.fujikura.co.jp/newsrelease/products/2067093_11541.html

株式会社フジクラは、製造工程で使用されるレンズの焦点を合わせる調心装置にAIプログラムを実装し、AIが人や従来の制御プログラムよりも高速で高精度な動作を行えることを検証しました。
製造工程へのAIの導入は、製造業にとって喫緊の課題である熟練技術者の減少、将来の技術力低下を解決する方法として注目されていて、さらなる技術開発が期待されています。

引用:製造装置の制御技術で確認されたAIの有効性を世界有数の国際カンファレンスで発表

株式会社ロッテ

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画像引用:https://www.lotte.co.jp/entertainment/shallwelotte/lotteaction/koala/

株式会社ロッテは外観検査の合否判定にAIを導入しています。
お菓子は工業製品に比べて室温、湿度等の影響を受けやすく、仕上がりに個体差が出やすいため、従来は経験豊富な検査員による目視検査を行っていました。
この工程をAIによる高精度な画像判定に置き換えることで、人的ミスの削減や安全面への配慮、コスト削減、作業効率の向上などを達成しました。
さらなるデータの蓄積と分析を行い製造工程の改善につなげ、食品ロスの削減を目指しています。

引用:ロッテ狭山工場がお菓子の外観検査をAI(人工知能)で自動化

株式会社ニチレイ

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画像引用:https://www.nichirei.co.jp/food_loss/2-1/

株式会社ニチレイはチキン原料を自動で素早く正確に選別するために、血合いや羽の検出にAI自動判別を導入しています。
チキン原料を特殊なカメラで撮影し、画像の血合いや羽の部分を独自のアルゴリズムで数値情報化してAIで判定するもので、従来人の目や手で時間をかけて判断していたものを自動で瞬時に判断、選別することができます。
人の目では判断が難しく、これまで「念のため」で廃棄されていた食品をAI活用により減らすことで食品ロスの削減を目指しています。

引用:AI選別技術を活用し「念のため廃棄」を減らす

リュウグウ株式会社

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画像引用:https://www.ryugukk.co.jp/

リュウグウ株式会社は素材の混合や設計といった研究開発期間を短縮するために機械学習ツールを導入しました。
研究開発や設計、生産領域のデータを元に機械学習を実施し、パラメータの最適化や材料選定、影響度分析をAIが行うことで研究をサポートします。
作業員の経験が頼りだった配合などについての感覚を数値化し、開発の効率化やスピードアップが期待されています。

引用:包装資材のリュウグウ、研究開発期間の短縮に向け機械学習ツールを導入

ダイキン工業株式会社

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画像引用:https://www.daikin.co.jp/press/2017/20170926

ダイキン工業株式会社は熟練技術者の技能伝承を支援する次世代生産モデルを運用しています。
空調機製造におけるろう付けプロセスにおいて画像解析技術を用い、熟練技術者と訓練者の技能をデジタル化し比較・分析することができるシステムによりろう付け作業の統一基準を定めることを狙います。
グローバル生産拠点に展開するとともに、監視制御システムや生産設備の情報と統合して解析することで、さらなる品質改善や生産性向上、熟練技術者の育成につなげていくことを目指します。

引用:ダイキンと日立が、IoTを活用し熟練技術者の技能伝承を支援する次世代生産モデルの確立に向けた協創を開始

TOTOサニテクノ株式会社

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画像引用:https://tst.jp.toto.com/

TOTOサニテクノ株式会社は世界最高水準の衛生陶器工場を目指し自動化を進めています。
熟練の作業員の技術が長年にわたって継承されていた便器の成形や施釉の工程に、これらの技術を学習したロボットを導入し自動化することにより、作業員の経験年数に関係なく均質な製品を作れるようになりました。
成形用の型の交換作業も自動化し、従来は約2時間かかっていた作業を18分にまで短縮するなど最新設備の導入により、世界でもトップクラスの生産性を実現しています。

引用:世界最高水準の衛生陶器工場 滋賀工場新西棟

まとめ

製造業におけるAI導入は、生産効率の向上、コスト削減、品質の向上など、多くのメリットをもたらします。しかし、初期投資の問題や技術的検討の難しさから、導入は簡単ではないでしょう。

AI導入や開発シミュレーション、業務効率化にお悩みの際は、ぜひテクノプロ・デザイン社にご相談ください。
ハードウェア・ソフトウェアの両側より、技術開発分野や商品開発分野の革新をサポートいたします。
また、AI以外にも、ROSによるロボット制御、SLAM技術、AR/VR/MR/XR導入など、デジタルツインやメタバースについての多彩なサービスを得意としています。

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